筆が割れてきてしまったのですが、治りますか?
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- カテゴリー: Calligraphy tool, 筆 brush
先日、ご質問いただいたのですが、
「割れてきてしまって、書きにくくなってしまいました。どうしたらよいでしょうか?」
治し方を質問していただいたように思いますが、ごめんなさい。
治りません。
割れてきてしまったのは、兼毫筆です。兼毫筆は初心者の方おすすめの筆です。
兼毫筆は、中心に弾力のあるイタチなどの毛を使っています。弾力があるので、筆のバネの力を意図しなくても、筆自体がバネの働きを自動的にしてくれるから、初心者でも使いやすいのです。
でも、かたい毛は、線質をバサバサさせてしまします。線をバサバサさせないよう、柔らかみのあるニュアンスが出せるように羊毛に近い柔らかい特徴のある毛で、かたい毛をくるみます。そうしますと、線質がバサバサしなくなります。
剛毛柔毛の両方の良いとこどりの筆、2種類の毛を使っているので兼毫筆と命名されています。その使いやすさから、初心者におすすめとされているのです。
ただ、かたい毛は、すり減ります。
例えるなら、靴底と一緒です。
すり減った後は、戻りません。
ですから、買い替えが必要です。
買い替えの際には、次の記事を参考になさってください。
何本か、違うメーカーの筆を持っておきましょう
靴と同じで
違うメーカーのを何本か違うものを持っておくと、
「今日はこれ」
と選んで使えて、同じ筆を長く使えます。
ちょうど良いところで使い止めしておきましょう。
兼豪筆は傷む、けれども、新品は逆に線に雑音が入らなすぎてきれいすぎるので、自分のちょうど良いところで練習には使わないことにして、作品制作用にするという先生もいらっしゃいます。
筆を長持ちさせるには?
長持ちさせるには洗い方が大事です。
私は、根元からほぼ黒いものが出なくなるまで洗って、風通しの良いところに穂先を下にしてつるして置きます。
穂先が下ですと、筆管の奥まで染み込んだ墨が降りてくるので、割れにくくなるように思います。