小石川というと、養生所。

そんな風に思う方は、きっと時代劇がお好きな方ですね。

小石川は、台地の際にあります。 ですので、江戸時代には、守りの要所として、お寺がつくられたり、信頼できる家臣が配置されていました。一番大きなお寺は傳通院です。 傳通院を囲むように、小さな寺院も点在しています。 夏になると、このあたりで朝顔市とほおずき市が開催されます。http://www.city.bunkyo.lg.jp/bunka/kanko/event/matsuri/asagao.html

１．ほおずき市

２．朝顔市

３．変化朝顔

４．魅惑の坂道

１．ほおずき市

こんにゃく閻魔、インパクトのあるお名前ですね。 この閻魔様は、源覚寺さんにあります。

ここで、ほおずき市が開催されています。

こんにゃく閻魔様の逸話を少し。
昔、目が見えなくなったおばあちゃんがいました。 そのおばあちゃんは大好きなこんにゃくを断って、お百度参りをしました。 最後の日に、夢に閻魔様が出てきて、「直してやるぞ」といいました。 目を覚ますと見えるようになっていたそうです。 そして、閻魔様にお礼に来ると、閻魔様の片方の目が黄色くなっていたそうです。 おばあちゃんは、身代わりになってくださったと、感謝して、こんにゃくをお供えしたそうです。

ご本尊は、こちらの建物。

ビルの１階がお寺で、上は住宅でしょうか。 都会でお寺が生き抜くために、工夫されてるんですね。

ちなみに、お墓も、マンションです。

現代のお墓はボタンで呼び出して、お参りできるそうです。

このお寺の中に、変わったお地蔵さんがあります。 塩地蔵様です。

良くなりたいところに塩を盛ります。 もし、良くなったら、倍返しにお参りする風習があるそうで、 原型が見えないほど、真っ白になってしまったお地蔵さんがいらっしゃいました。

それから、太平洋をさまよった鐘があります。

サイパンのお寺に設置されて、 戦後アメリカにわたり、 持ち主の奥様のご意向で、こちらに戻された鐘です。

同じように、ヨーロッパに渡った後、行方不明になって、不意に日本に戻ってきた鐘が他にもあります。 品川寺には、ジュネーブから戻ってきた鐘があります。 これを契機に、近くの通りの名がジュネーブ通りになっています。

２．朝顔市

傳通院では、朝顔市が開催されます。

傳通院は、家康のお母様を祀るためにつくられました。 以後、ここには徳川家に関連する女性や3歳以下の男子が祀られるようになりました。 ちょうど、ここは、台地の上にあり、江戸城を見渡せる、軍事上の要所に位置します。 江戸城の守りのために、信頼できる家臣や寺を配置したんですね。

３．変化朝顔

江戸時代は、園芸が盛んな時代でした。 かけあわせて、いろんな形の朝がおがつくられました。
でも、関東大震災があり、 戦災があり、 種がほとんど失われてしまったそうです。 そして、今、少し復活しているんだそうです。

これらの変化朝顔は善行寺さんで見ることができます。
朝顔の種には、下剤作用があるそうです。 だから、今昔物語の中に、 荒くれモノの僧侶に早く帰ってもらいたいために、 飲み物に朝顔の種の汁を混ぜて、お腹を壊させたというエピソードが載っているそうです。
朝顔は、日本に入ってきた当初は、漢方、つまり薬として栽培されていたんだそうです。
それが、だんだん、その美しさに注目されるようになって、 いつの間にか、下剤の効用を人々が気にしなくなったんですね。
一方、今でも、猫や犬は、朝顔は口にしないそうです。 本能で、食べてはいけないことを知ってるんですね。きっと。

４．魅惑の坂道

傳通寺に通じる東側の坂道は、タモリさんも認めた美しい東京の坂の一つだそうです。（『タモリのTOKYO坂道美学入門』参照）

途中に善行寺の赤い門があり、江戸情緒たっぷりです。 善光寺は、戦災を免れ、明治初期に建てられた門・本殿が現存しています。

いかがでしたか？ 散歩の地図はこちらです。

地図の出展は、文京区のこちらのサイトのPDFです。 http://www.city.bunkyo.lg.jp/var/rev0/0134/0314/asagaoleaf2017-official.pdf

暑い夏を満喫できるお祭り、ぜひ、参考にしてみてくださいね。